悠木碧/プティパ(2012)


アトラクションのような、テーマパーク感溢れる小さなおとぎ話。ドリーミィなポップチューンM1は甘いマカロンが似合うようなティータイムに。少年のような凛々しさと可愛らしさが混ざり合うアップテンポチューンM2、アリスをテーマにしたM5はキュートな中に棘があり思わずドキッとさせられる。
夢みがちな中にもどこか翳りのある可愛らしさ、元気で快活な凛々しさ、朗々と歌う澄んだ声。ヴォーカルの使い分けも意識しているようで、声の表情に起伏があって飽きが来ない。


bermei.inazawa、DECO*27を起用した楽曲のクオリティは流石だが、楽曲の流れ・統一性という観点からはいまひとつという印象。しかし、作曲陣とその楽曲の配され方には思わずニヤリとさせられる。岩里祐穂中野愛子の詞が作品をメルヘンにさせているようで、メロディと溶け合って耳先で甘くとろける心地よさがある。ふわふわとしているのに、決して地に足が付いていないというわけではないのだ。甘いだけではなくスパイスが効いている。不思議。


Rating: ★★★★☆