同人音楽オススメ3選

僕自身もメンバーを務めている同人音楽同好会による企画同人音楽オススメ3選ということでM3-2011秋以降の作品から3つ選ばせていただきました。
音楽の色味がそれぞれ異なる3作だと思っています。それでは早速。


鏡星/銀霊譜(TKY-0021,2011/10/30)

収録時間1曲40分。Sakuraと李乃による女性ツインヴォーカルと翡翠によるファルセットによるコーラスワークが美しいゆったりと流れるようなシンフォニック作。
神楽笛を使用しての雅楽アイヌ音楽を交えた荘厳な雰囲気と共に伸び伸びとした前半部の音調は実にたおやかで心が凪ぐ。シンフォニックでありながらどこか懐かしい和のメロディが心を捉えて離さない。媚を売ったような中途半端な「和」の曲調ではなく、雅楽をベースにしていることもあり、落ち着いて聞ける。前半部はコーラスと落ち着いた雰囲気が支配するが、一転、中盤を過ぎてからの激しいキーボードによる展開はまさに様式美。思わずニヤリとせざるを得ない。決して音が重厚ではないながらもシンフォニックロックともジャズロックにも振れる幅を持ち、自然な展開を見せる翡翠氏の力量にはただただ感嘆せざるを得まい。アイヌの民族衣装と思しき衣装を身に纏った二人の少女のジャケットも楽曲の世界観に花を添えている。
気付いたら40分が経過している。この収録時間にドキッとした方は是非。心を奪われる音世界がそこに。


Paradise Eve/騎士エメラルド(PEVE-004,2011/12/31)

『少女サファイア』『少女ルビー』に続く「聖少女三部作」最終作は意外にも「少女」ではなく「騎士」。運命を課せられた騎士である少女は楽園を目指す。久遠ゆんによる伸びやかなヴォーカル、天使語による多重コーラスも安定している。甲斐ユウによるメロディメイク、マスタリングもParadise Eveの4作中最も光っているのではないだろうか。何より全体的な安定感が増しており聴きやすい。「騎士」という守備にも重きを置いたイメージは音楽にも反映されているかもしれないが、さらにシンフォニックになり、ドラマティックな迫真の曲調は鬼気迫るものがある。なお、三部作完結記念の小冊子にはこれまでの天使語歌詞の対訳が掲載されているが、ジャンヌ・ダルクをモデルとしているようにみえる今作の少女の悲劇性は際立っているかもしれない。
三部作と言いながらも1stアルバムの『楽園のイヴ』は「水晶」をモチーフとしていることもあり、実質的には四部作とも捉えられるので、三部作だけでなく1stから改めて通して聴くのもいいだろう。


Mamyukka/僕のあの娘の終末日記(MKCD-07,2011/12/31)

紛うことなき最強冬休みソング。
諸人こぞりて、ひいらぎかざろう、Winter Wonderland、Jingle Bells、We Wish You a Merry Christmas、歓喜の歌、お正月…惜しげもなく年末ソングを使った充実度の高さ。もうこれを聴くのが年末の恒例行事となること請け合いでしょう。
メドレーは全く違和感なくつながっていてあまりにも楽し過ぎて一瞬で7分が流れてしまうし、A4の紙だけで学期末と終末(年末)とその物語をCDケースにしてしまっているその装丁には度胆を抜かれるし、幼女にもセクシーな女性にもその声を変える自在なヴォーカルには心を奪われるのでもうなんだか大変な1曲。
そしてやっぱりなんと言っても幼女ラップ最強。ロリコンの貴方も、ロリコンじゃないと必死に否定する貴方も聴くといいと思うよ!