1月の5枚。
音源を大量に頂いて突如70年代ジャパニーズロック・フォークを聴き始めた。しばらくこの流れかもしれない。
浴びるように聴いているけれど、聴きなれていなかった音楽だけにまだまだ戸惑いながら消化を試みているところです。
今月の5+4枚
岡林信康/見る前に跳べ 岡林信康アルバム第二集(Japan,1970)
フォークとロックの両立。今ではこんな歌詞を歌にのせる歌手はメジャーシーンにはいないけれど、そんなことはどうでもいい。歌が「力」を持っている。
Vashti Bunyan/Just Another Diamond Day(UK,1970)
細いヴォーカルがシンプルなアコースティックな音にのる。哀しくて懐かしい。
遠藤賢司/満足できるかな(Japan,1971)
肩の力の抜けた落ち着いた2ndアルバム。Tr2「カレーライス」はカレーライスと「僕」の歌というテーマであるだけなのにこんなにも哀しいメロディにのるだけで叙情性が恐いくらいに増す。
細野晴臣/HOSONO HOUSE(Japan,1973)
不健康そうな青白い顔の細野晴臣のジャケットとは裏腹に陽だまりのように暖かい。ロックでありながらほのぼの。だがしかし卓越したテクニックと音作り。
はちみつぱい/センチメンタル通り(Japan,1973)
この作品を聴いていると下町のゴミゴミとした裏路地に行きたくなる。音楽の中に70年代の懐かしさのようなものが詰まっているようでまるでタイムカプセルのようなアルバム。
鈴木茂/BAND WAGON(Japan,1975)
はっぴいえんどの音や歌詞の世界観をそのまま引きずったような松本隆の詞に、さわやかにギターが鳴り響く。鈴木茂のヴォーカルも小気味よくてとても23歳のデビューアルバムとは思えない。
センチメンタル・シティ・ロマンス/same(Japan,1975)
セルフタイトルの1st。都会なのにどこか田舎。これだけのほほんとしているのに決して気が弛んでるわけではない演奏力。新しさと懐かしさとアーバンとカントリーのクロスオーバー。
ZABADAK/SIGNAL(Japan,2002)
ロックかと思うとポップでもあり、民族色もあり、バラードもあり。ジャンルを越境している。ロックチューンのM2:Play your daysでガツンとやられたと思ったが、それはこの作品の始まりに過ぎなかった。
特撮/オムライザー(Japan,2003)
1stや2ndほどのキレはないもののオーケンやっぱり猟奇的に冴えてる。プログレエディとかもうド直球すぎて。
次点の5枚
Miles Davis/On the Corner(US,1972)
Bitches Brewの3年後にMilesがファンクでジャズにアプローチするなんて誰が考えただろう。
矢野顕子/JAPANESE GIRL(Japan,1976)
こんなにポップと民謡とがごった煮になった楽曲を歌っていたのかこの人は。怖ろしく迫力のある1st。
Herbie Hancock/Future Shock(US,1983)
大胆にヒップホップとの融合を図った異色作。ジャズの空気を纏いながらスクラッチ音が入る「近未来的」な音。衝撃的。当時はきっと賛否両論だったんだろうな。
難波弘之/ブルジョワジーの秘かな愉しみ(Japan,1985)
オリジナル曲とプログレ系のカバー曲が交錯する。UKのカバーもさることながら全体的なアレンジも、UK以降のJohn Wettonのポップ路線をどことなく追うような印象を受ける。作品としてのまとまりという点では少し散漫。
Jeff Beck/Live and Exclusive from the Grammy Museum(UK,2010)
今月の5曲
細野晴臣/ろっか・ばい・まい・べいびい(Hosono House,1973)
鈴木茂/砂の女(BAND WAGON,1975)
Herbie Hancock/Rockit(Future Shock,1983)
ZABADAK/Play your days(SIGNAL,2002)
特撮/オム・ライズ(オムライザー,2003)