11月の5枚。
70〜80年代ジャパニーズ・ポップ、ロックへと傾いていきそうな予感。
今月の5+1枚
大滝詠一/GO! GO! NIAGARA[30th Anniversary Edition](Japan,1976/2006)
David Gilmour/David Gilmour(UK,1978)
Transatlantic/Whirld Tour 2010: Live in London(Sweden/UK/US,2010)
放課後ティータイム/放課後ティータイムII(Japan,2010)
幼蚕文庫/メメント・モリ(Japan,2010)
ゆらゆら帝国/YURA YURA TEIKOKU LIVE 2005-2009(Japan,2010)
大瀧詠一/GO! GO! NIAGARA。ラジオDJ風のコンセプトアルバム。曲につながりがあるのではなくラジオ番組風にジングルでつながれた一連の作品群。ガツンとくる曲があるというわけではないのだけれどゆるやかにまとまりがあるポップ。売れ線のメロディとまでは決していかない開き直りはM2「趣味趣味音楽」に表れている。
David Gilmourのソロデビュー作品はPink Floydと大きくは乖離しないサウンドでありながら多少ポジティブな音。小品集ではあるが浮遊感のあるスペイシーなギターサウンドは麻薬的ですらある。
Transatlanticは文句ないでしょう。3CD2DVDのとんでもないヴォリューム。80分の作品"The Whirlwind"をこれだけエンターテインメントとしてもロックとしても美味しく料理できるのも彼らこそ。DVDもDaniel Gildenlowを加えての演奏が見られるなど大変充実したライヴ作。
放課後ティータイムII。disc2のカセットに録音したテイクの空気感がいい。初回限定版のカセットもうまいなあと。久々にラジカセでカセット聴いた。カセットの時代じゃなくなってしまったのだなとぼんやり思いながら聴かせてもらった。
幼蚕文庫/メメント・モリについてはまたゆっくりと書きたいので今回は軽く。死をテーマにした4曲。今回も浮森かや子嬢の歌唱が今回も光る。
ゆらゆら帝国の2005〜2009年のライブを集めたアルバム。2CD1DVD。『Sweet Spot』『空洞です』期のライヴというのもあり、ライヴにおいても『空洞です』のような「頑張らない」演奏(というと語弊があるかもしれないけれど)をやろうとしている印象を受けるがやはりライヴの熱が伝わってくる。『空洞です』より先へのステップへと進もうとしていたように思えるのは大幅にアレンジの変わった「グレープフルーツちょうだい」を聴いてもわかるのかもしれない。「単なる穴」「お前の田んぼが好き」も「『空洞です』以降」を模索しているような作品ではあるけれど『空洞です』の延長のような楽曲。バンドがある到達点に行き着いてしまったことはこういうところからも伺えるのかもしれない。それにしても円熟したバンドの演奏が聴ける最高の作品。
今月の5曲
荒井由実/中央フリーウェイ(1976)
放課後ティータイム/五月雨20ラブ(放課後ティータイムII,2010)
Oratorio The World God Only Knows/God only knows〜集積回路の夢旅人(Japan,2010)
豊崎愛生/Dill(Dill,2010)
ゆらゆら帝国/お前の田んぼが好き(YURA YURA TEIKOKU LIVE 2005-2009,2010)
ユーミンも聴いていかなくてはということでまずは手近なベスト盤より。
五月雨20ラブはベースのラインが最高な一曲。メロディもキャッチーな上に歌詞が心にチクリと刺さる。
豊崎愛生/Dillはクラムボンを迎えてのソロ第3弾。クラムボンに引っ張られたヴォーカルのようでもあるけれどクラムボンにマッチしたヴォーカルになっているという見方もできるかもしれない。決して上手いわけではないけれどクラムボンのキラキラとしたメロディに豊崎愛生のヴォーカルがよく合う。