Transatlantic/Whirlwind

旋風!遂に奴らが帰ってきた!

Whirlwind

Whirlwind


90年代以降プログレ界を牽引するバンドから集まったメンバー4人、Neal Morse,Mike Portnoy(from Dream Theater),Roine Stolt(from The Flower Kings,Kaipa etc.),Pete Trewavas(from Marillion)によるTransatlanticによる8年ぶりの3rd。1曲77分の大作に加えてGenesis,Procol Harum,Santanaなどのカヴァーを収録したボーナスCD付き。
壮大なファンファーレからギター、キーボードが緩やかでありながら縦横無尽に駆け抜けるオープニング曲"Overture / Whirlwind"。オープニングから帰ってきたなと感じずにはいられない。リフやメロディにハッとさせられる場面が決して多いわけではないんだけど展開も変幻自在、音にも少しの不安も感じさせない圧倒的な安心感。4人のvocalが交互に絡み合い、思わず覚える贅沢感。Roine Stoltのvocalと緩やかで流麗なギターによるメロディが思わずThe Flower Kingsを思わせる"A Man Can Feel"、Neal Morseのvocalとchorusが心地よい"Rose Colored Grasses"、ゆったり力強いドラムに乗せて(暑苦しくも?)感情的に歌い上げる"Lay Down Your Life"、次第にペースアップして緊迫感が徐々に高まり"Is It Really Happening?"からフィナーレ"Dancing with Eternal Grace / Whirlwind(Reprise)"へ。静かなピアノの音に始まり、vocalと共に次第に泣くようなギターが盛り上げる。そしていつしか"Whirlwind"のメロディが戻り壮大なフィナーレ。
1曲77分とのことなのでダレるかなとか思ってたけど中盤もポップな歌メロがあるし飽きが来ない作りになっている。ダレるとか考えた僕が間違ってました。傑作とまでは正直断言しかねるが何の心配も要らない。これだけ安心して聴けるアルバムもなかなかない。


Rating: 90/100

【追記(11/27)】Bonus Disc!

疾走感こそないもののdisc1以上の安定感か。肩の力が抜けているんじゃないかな。これがまず聴いての第一印象。そんな余裕さえ漂うBonus Disc。(勿論実は高度なテクが満載だと思うけど)
メンバー作の前半4曲+カバーの後半4曲の構成。アウトテイクか零れた曲か、前半はそこまでインパクトのあるメロディは無いけれどWhirlwindのテーマメロディをアコースティックに演奏したM3:For Such a Timeなど良質でしっとりとしたロックが満載。加えて後半の怒涛のカバー構成にも圧倒される。Genesisのカバーのアレンジも良く、流石にvocalを似せたりはしてないけど中盤のアレンジにはTransatlanticらしさが出ている。M7:I Need YouもGeorge Harrisonの方だけかと思いきや曲をつなぎ合わせた面白いカバー。Bonus Discとはいえ貫禄の1枚ではないだろうか。