うれしくって抱きあうよ。

7月3日。5thアルバム『うれしくって抱きあうよ』を引っさげてのYUKIのツアー初日。
ライヴの余韻がまだ残っている。どうしようもなく残ってる。



JUDY AND MARYを好きになって、そしてYUKIを好きになってもう9年。9年前修学旅行の隣の席に座った友達に聴かせてもらったのがJAMの解散直後のベスト盤。まともに聴いたときには既に解散してた。ソロをまともに聴くまでにはまた1年近く間が空いたけど、そのときまでにはもうJAMのCDは集めていてYUKIのラジオも聴いてた。ここまで1人のミュージシャンにのめり込んだことはなかったし、好きになったこともなかった。ファンクラブができたときもちゃんと初めから入会したし、しっかりファンを名乗れる根拠のない自信もあった。でもライブに行きたいという意識もなくて行くきっかけもなかったから行かなかったのです。行きたいというより行きづらかったとでも言えばいいのかな。とにかく何かと理由をつけて行かなかった。
なぜ今までライブに行かなかったんだろう。今回のライブでつくづく後悔した。


でもこのツアー初日。ほんと行けてよかった。
幕が上がってYUKIが登場した瞬間、何か夢が一つ叶ったと思った。震えた。一定限度のラインを超えると人は泣きそうになる。少なくとも今回の自分にはそれが当てはまった。ほんとにファンやってて、好きになってよかったって思えた瞬間。そんな一瞬が確かに存在していた。初めてライヴに行ったときのように心を動かされたんだと思う。7列目真正面。遮るものは何もなくて真っ直ぐ目の前にYUKIが見えた。バックバンドも豪華でかっこよかったけどYUKIばかり見ていた。下手したらこっちを見てくれてたんじゃないかなんて勘違いもしてみたりする。自分はナンバーワンじゃなくていい。オンリーワンなんてものじゃなくていい。One of Themで構わない。幸せならそれでいいと思った。
こんなにも幸せに感じてあたたかくて楽しく思えるライヴは久々かもしれない。好きなものは好き。好きな人は好き。理由なんかない。でもYUKIは自分にとってアイドルのようでアイドルではなくて、ヴィジュアル的にも音楽的にも魅力的なミュージシャン。そしてYUKIはエンターテイナーであって人に見せる能力、そして人を魅せる能力がある。それでいて可愛くてセクシー。とても38歳とは思えない。世界で一番かわいくてセクシー。
ツアータイトルでもある5thアルバム『うれしくって抱きあうよ』のコンセプトの通り、「朝が来る」に始まって「夜が来る」に終わるセットリストも、ステージの演出もストーリーも細やかで何もかも楽しめた。

「例えば抱きしめるとか撫でるとか、手を握るとか、そういう手触りにすごく重きを置いていたのかもしれないですね。」*1

手触り、手作り感。ステージの作りもそういった方向性だったし、三つ編み風のエクステも、三つ編み風(!)の椅子も夜を表現する月だとか星だとかのステージギミックもどこかあたたかみがあった。それだけではなくて、手触りだとか手作りだとかそういった言葉をMCでも口にしていたのだけど歌を通して撫でられているような、そんな感覚さえ覚えた。


また行こう。満たされるライヴは確かにそこにあった。必ずまた行こう。


YUKI concert tour 2010“うれしくって抱きあうよ

公演日 : 2010/07/03
会場 : 戸田市文化会館
開場 : 16:00
開演 : 17:00

セットリスト

1.朝が来る
2.ミス・イエスタデイ
3.WAGON
4.歓びの種
5.うれしくって抱きあうよ
6.さようなら、おかえり
7.ハミングバード
8.プリズム
9.同じ手
10.ユメミテイタイ
11.チャイニーズガール
12.汽車に乗って
13.長い夢
14.星屑サンセット
15.プレゼント
16.ランデヴー
17.COSMIC BOX
18.夜が来る
En1.2人のストーリー(新曲)
En2.恋愛模様

*1:エキサイトミュージック アルバム『うれしくって抱きあうよ』インタビュー http://ent2.excite.co.jp/music/interview/2010/yuki/