ゴスロリという言葉の響き

ゴシック&ロリータ幻想劇場 (角川文庫)

ゴシック&ロリータ幻想劇場 (角川文庫)

元々短編集として出された『ゴスロリ幻想劇場』に7編足して2編引いた短編集。ゴスロリ雑誌に連載していただけあって登場人物は大体がゴスロリ服を身に纏った少女。突然天使のような生物に襲撃されて血みどろになったり、戦国時代にタイムスリップしたり、浦安のネズミのようなキャラクターにゆるキャラが反乱を起こしたり。その他にもホラーじみた話にハートウォーミングな話と短編の形式も様々で通底しているものはゴスロリ服の女の子が登場するその一点のみといっても過言ではない。
個人的には「戦国バレンタインデー」が好き。バレンタインデーに意中の彼にチョコを渡そうとしたゴスロリ少女が、神様的格好をした神様の所為でゴスロリ服のまま戦国時代の今にも自害せんとする姫様の前にタイムスリップ。ありがちといえばありがちな話の流れなのではあるがゴスロリというその一点だけで話がこんなにも広がるものかと。どこか普通なのにどこかおかしいそんな話が満載の短編集。
あ、妖精さんが少し怖くなるようなそんな物語もあったなー。